ウルトラウッドコラム工法

ウルトラウッドコラム工法は、従来の「柱状改良工法」と「木杭工法」の短所を解消し、長所を引き出すために開発されました。摩擦力などが期待できる柱状改良工法の利点と既製杭で品質が安定している木杭の利点を併せ持った工法となっています。そのため、小さな径で改良長を短くしても、大きな支持力を得ることが可能となりました。また、その評価は多くの実験結果から証明されています。

従来の柱状改良工法
長所

セメント系固化材のスラリーを吐出しながら地盤を掘削撹拌することで、柱状の地盤改良体を築造する機械撹拌式深層混合処理工法。

短所

地域によって土質などが大きく異なり品質管理に十分な配慮が必要である。(そのために支持力は日本建築センター指針によって制約されています)

木杭工法
長所

昔から広く一般的に使用されている既製杭で品質が安定している杭材である。

短所

腐食などの問題や支持力の算出が難しいため、近年の一般住宅にはあまり使用されていない。

すぎやからまつの木製芯材を、改良体の中心に埋設して柱状改良体の支持力を増加させました。

攪拌装置

攪拌装置

先端に固化材の吐出口を設けた中空ロッド、攪拌翼、十字型共回り防止翼で構成されます。共回り防止翼「大」は、翼長が掘削径よりも長く、地盤から反力を得ることで土の共回りを防止します。また、共回り防止翼「小」は翼長が掘削翼よりも短く、貫入時の抵抗を抑えるとともに、粘性土地盤の攪拌・混合に効果を発揮します。

建築技術性能証明を取得

建築技術性能証明書

ウルトラウッドコラム工法は、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得しています。

一般財団法人日本建築総合試験所は、昭和39年(1964年)に設立された国土交通省・経済産業省共管の公益法人です。建築全般に関する試験、評価、開発研究等を行うことにより、建築物の質の向上、安全性の確保を図り、国民生活の向上に貢献することを目的としています。

一般財団法人日本建築総合試験所ホームページ

コラムの長期許容指示力

「ウルトラウッドコラム工法」によって築造される柱状改良体は、設計指針に定める下記の支持力算定表で求められる長期荷重に対する鉛直支持能力を有しています。

(単位:kN)
地盤
条件
先端地盤区分 1.5≦Np<2.25 2.25≦Np<3 3≦Np<4 4≦Np
周辺地盤区分




φ400mm L=2.5m 15 25 30 20 25 35 25 30 35 35 40 45
L=3.5m 25 30 40 25 35 45 30 40 50 40 45 50
L=4.5m 30 40 50 35 45 50 35 50 50 45 50 50
φ500mm L=2.5m 25 30 40 35 40 45 40 45 55 50 55 60
L=3.5m 30 40 50 40 50 60 45 55 65 55 65 70
L=4.5m 40 50 65 45 60 70 55 65 70 65 70 70
φ500mm L=2.5m 35 40 50 45 55 60 55 65 70 70 75 85
L=3.5m 40 55 65 55 65 75 65 75 85 75 90 95
L=4.5m 50 65 80 60 75 90 70 85 100 85 100 100

註)周辺地盤区分 Ⅰ:1.5≦Nf<2.25 Ⅱ:2.25≦Nf<3 Ⅲ:3≦Nf

表中の網掛け()を施した部分を使用する場合は、周辺地盤と先端地盤について詳細な調査を行って沈下検討を行う必要がある。ただし、NfをNp以下に低減して対応箇所の長期支持力を用いることは制限しない。

Np:
コラム先端地盤(芯材先端から上に50cm、下に125cmの範囲)の平均換算N値で、Np<1.5の場合はNp=0とする。また、Np算定のための個々のN’については、
N’<1.5の場合はN’=0、 N’>6の場合はN’=6とする。
Nf:
コラム周辺地盤(芯材先端から上方の範囲)の平均換算N値で、Nf<1.5の場合はNp=0とする。
また、Np算定のための個々のN’については、N’=0、 N’>6の場合はN’=6とする。
N’:
スウエーデン式サウンディング試験(以下、“SST”と称す)結果から求める換算N値で、下式による。
N’=3Wsw+0.05Nsw
ここに、WSW:SSTにおける荷重(kN)
    NSW:SSTにおける貫入量1mあたりの半回転数(回)
なお、N’の平均値を求める際は、深度25cm毎のSST結果からN’を求め、これの平均値を採用する。